2026年にビットコインが大暴落!?「量子コンピュータ」とは?

突然ですが、皆さんは「量子コンピューターの進歩により、早ければ2026年にビットコインを含む多くの暗号資産(仮想通貨)の暗号化技術が損なわれる可能性がある」という噂を聞いたことはありますか?

現に、イギリスの量子暗号化テクノロジー企業「Arqit(アーキット)」の創始者であるでビット・ウィリアムズが、量子コンピューターが進歩しつづければ、ブロックチェーンのセキュリティシステムを含めた多くのシステムを突破できてしまうと述べているのです。

今回は、この話題がどこまで信憑性のあるものなのか、そして、量子コンピューターの進歩が暗号資産(仮想通貨)界に果たしてどのような影響を与えるのかに注目してお伝えしいこうと思います。

量子コンピューターとは?

量子コンピューター(quantum computer)とは、量子力学の現象を情報諸技術に適応することで、非常に複雑な計算を解くことができるコンピュータのことを指します。

量子コンピュータを用いることで、従来のコンピュータでは解くことのできない計算も解くことが可能なのです。

「量子重ね合わせ」や「量子のもつれ」といった量子力学の現象を利用して、並列計算を可能にするコンピュータです。

このような計算を従来型のコンピュータで導き出そうとすると、膨大な時間とエネルギーを必要としますが、量子コンピュータなら短い時間で解くことが可能なので、さまざまな分野での活躍が期待されます。

では、その複雑な計算とはどんなものなのでしょうか?

少し詳しく見てみましょう。

私たちが良く知る計算は、小学生のころから慣れ親しんできた1から9までの数字を使った足す・引く・割る・掛けるの四則計算ですね。

そして、それらを応用して日常生活や仕事に適応させてきました。

それ以上の大きな数字や複雑な図形を扱う際には計算機を、さらに複雑化する計算はコンピュータを使います。

しかし、コンピュータでは対処しきれない計算式が出てきてしまうこともあります。

コンピュータが進化するにつれて、人間のニーズもどんどん増えているからです。

複雑な3次元物体のシミュレーションや、量子力学的なふるまいをする物質のシミュレーションは、現在の最先端コンピュータでもなかなか計算できるものではないようです。

将来的に出現する問題の多くは、ブロックチェーン技術や機械学習の技術だけでは突破しきれないと考えられています。

そこで、現在のコンピュータの限界を突破しうる可能性をもっているとされるのが量子コンピュータです。

量子コンピュータの「量子」は「量子力学」から由来しています。

量子力学で扱う原子や電子などの肉眼では見えないものの動きを説明するために発展した理論です。

この量子力学特有の物理状態を確かめる上で利用される高度なテクノロジーが終結されているのが量子コンピュータなのです。

この技術により、これまでの計算よりも進化した「量子計算」と呼ばれる計算ができるようになります。

今回のこの記事で量子コンピュータのすべてを語ることはできませんが、とにかく今までのコンピュータとは規模が違い、社会をも変える力を持ち得るコンピュータであることがわかっていただければと思います。

量子コンピュータVSブロックチェーン

量子コンピュータは、1990年代から開発が進められてきました。

量子コンピュータは、従来のコンピュータの「ビット」を「量子ビット(Qubit)」に置き換え、圧倒的なスピードの計算を可能にするという理論が用いられています。

「2026年ビットコイン大暴落説」の元となる発言をしたのは、Arqitの創始者であるデビッド・ウィリアムズ氏なのです。

ウィリアムズ氏は、「2026年頃に広範囲な実用化が進む見通しの量子コンピュータは、そのパワーによってどんなブロックチェーンのセキュリティシステムも簡単に突破してしまうだとう。」と述べています。

Arqitは、今年(2021年)5月にSPAC(特別買収目的会社)との合併を発表し、ニューヨーク市場への上場に備えていました。

また、住友商事とThe Heritage Group、ヴァージン・オービットの3社からの資金調達を実施しました。

ウィリアムズ氏は、カルダノの生みの親チャールズ・ホスキンソン氏が以前から指摘していた問題点に着目し、ブロックチェーンの開発者たちに「量子暗号鍵」と呼ばれるテクノロジーを採用するよう呼びかけています。

それに加えウィリアムズ氏は、「ブロックチェーンが量子コンピュータの時代に対応をしなければ、ブロックチェーンは根本的な欠陥を抱えることになる」と話しています。

ケンブリッジ・クォンタム・コンピュータリングで量子サイバーセキュリティを担当するダンカン・ジョーンズ氏もこれに賛同する意見を述べており、

「量子コンピュータが脅威となる前に対処しなければ、甚大な影響を及ぼす。攻撃者は不正な取引を行い、コインを盗むだけでなく、ブロックチェーンの運用を混乱させる可能性もある」と警告しています。

今年8月はじめ、ケンブリッジ・クォンタム・コンピュータリングは、米州開発銀行(IDB)とメキシコのモントレイ工科大学とともに共同研究・開発を行いました。

量子コンピュータがブロックチェーンネットワークにもたらす4つの潜在的な脅威を特定し、、ポスト量子暗号(post-quantam cryptography)のレイア―を用いてその保護を行うという内容でした。

ジョーンズ氏は、GoogleのCEOであるサンダー・ピチャイ氏が「暗号化がわずか5年から10年で破られる可能性がある」と推測していることを指摘し、「分散ネットワークはすぐにでも処理をはじめることが重要である」としています。

近年、中国が量子コンピュータの分野で先行していることもウィリアムズ氏の懸念するポイントだと言います。

ウィリアムズ氏は、中国の量子コンピュータ開発におけるリードが、世界の伝統的金融市場と暗号資産(仮想通貨)市場の両方に2008年のリーマンショック並みの打撃を与える可能性があると考え、「量子コンピュータがもたらす危機は、最初は密に進行し、暗号化が突破されたというニュースが徐々に広まるだろう。その後、2008年の金融危機と同様な、システムへの信頼の崩壊が起こるだろう」と指摘しています。

現在、世界的な規模でみると、暗号資産(仮想通貨)は1万種類以上存在していますが、量子コンピュータ革命とも呼べる危機に対応する防衛策が必要になってくるかもしれません。

ブロックチェーン業界において、量子コンピュータ到来にも耐えられるような強固なセキュリティシステムが開発できることを期待したいですね。

おすすめの記事