
今月(2020年11月13日現在)、暗号資産(仮想通貨)市場でビットコインが日本円建てで170万円台に乗りました。
米ドル建てでは12日に16,000ドルと突破し、年初来高値を更新していて、最高値更新の可能性も見えています。
専門家たちの間では、この勢いでビットコインの価格が最高値になることも予想されています。
今回は、ビットコイン高騰の歴史と成長を見ながら、今回の価格上昇を見ていきましょう。
目次
過去のビットコイン高騰時の価格と当時のニュース
2011年 最高値: 約35米ドル (約2800円)
2011年4月に、アメリカの大手メディア「TIME」にビットコインの特集が掲載されました。
当時ビットコインは約1ドル(約80円)で取引されていましたが、5月、6月にかけて価格が上昇しました。
結果として同年6月10日には約35倍となる、1ビットコイン約35ドルにまで到達しました。
しかし、残念なことに同年6月20日Mt.Goxのハッキングによりビットコインが流出する事件が起きました。(マウント・ゴックス事件)
これにより価格は、6月19日時点の取引額約19ドル(当時約1500円)から大幅に下落しました。
2013年 最高値: 約1028米ドル (約5万円)
2013年3月、キプロス共和国で、預金者に対する厳しい課税制度を導入することにより銀行やATMに預金者が殺到する「キプロス・ショック」と呼ばれる金融危機が発生しました。
この際、非中央集権管理の技術で資産を管理しているビットコインに大変注目が集まりました。
また、中国でもビットコインが有力な投資先の一つとしれ 注目され、取引量が増加しました。
2013年11月には、中国最大級の暗号資産(仮想通貨)取引所の「BTCChina」において、ビットコインの取引量が世界一位となりました。
当然、ビットコインの価格は高騰、同年12月5日には約1028米ドルに到達しました。
しかし、ここでもまた残念なことにビットコインは大幅な下落を経験しました。
同日12月5日に中国政府によりビットコインの取引規制が発表されたことが原因です。
2017年 最高値: 約19,290米ドル (約216万円)
2017年8月、ビットコインのハードフォークにより、ビットコインキャッシュ(BCH)が生まれました。
このハードフォークは当時のビットコインのスケーラビリティの問題を解消するために発生しました。
このスケーラビリティ問題は、ビットコインのブロック容量の上限が1MBに設定されていたことにより発生しました。
ビットコインの利用者が増え、取引件数が増えたことによって処理速度や取引手数料に問題が出始めました。
この問題を解消するために、ブロックのサイズを変えずに解決する「セグウィット(Segwit)」という方法と、「ビッグブロック(Big Block)」というブロックのサイズを大きくすつ方法が提案され、ビッグブロックが採用されました。
また、ビットコインのみならず、そのほかの暗号資産(仮想通貨)も価格高騰し、日本のメディアでも大きく取り上げられました。
現時点では、この価格高騰がビットコイン市場において過去最大の値です。
ビットコインの価格に影響が出ると予想されるイベント
今回の価格の上昇はかなりのもので、専門家たちの間でも過去最高を更新する勢いなのではないかとささやかれています。
原因としては、新型コロナウィルスの加速で、中央銀行の金融対策として意識されていることがあげられます。
それに加え、ブロックチェーン技術が開発期から成熟期に移り変わりつつあるということも挙げられており、投資家にとってもより魅力的な投資先になりそうであることも指摘されています。
今後、ビットコインの価格が上がるきっかけになり得るのはビットコインETFの承認です。
ETFとは、上場投資信託(証券取引所に上場している投資信託)を意味します。
投資信託は、投資家から集めた資金を資産運用の専門家が運用し、運用による成果を投資家に分配するという金融商品で、俗にいうファンドの一種です。
ビットコインETFは、米証券取引委員会(SEC)が2017年3月から何度も上場申請していますが、いままでの申請はすべて非承認という結果に終わっています。
しかし、この申請が承認されれば、ビットコインに多くの資金が流れ込む可能性もあり、ビットコインの価格にも少なからず影響が与えられることが予想できます。