ブロックチェーンは2030年までに世界経済に1.7兆ドルの経済効果を与えることができる!?

コンサルティング会社のPwC(プライスウォーターハウスクーパース)の報告書「”Time for trust” report, 2020」によると、ブロックチェーン技術でアジアが最も経済的な恩恵を受け、今後10年で世界のGDPは$1.76兆(約190兆円)まで拡大すると試算されています。

今後ブロックチェーン技術の台頭で経済はどこまで発展していくのでしょうか?

PwCのエコノミストは、ブロックチェーン技術が世界規模で採用された場合、2025年に転換点を迎えると予測しており、ブロックチェーンの活用により、2030年までに世界の国内総生産(GDP)が1.76兆ドル(世界のGDP1.4%)増加すると予測しています。

PwCの報告書によると、ブロックチェーン技術はアジア経済に最も大きな影響が与えるとされ、中国、インド、日本の地域ではブロックチェーン技術の導入を推進しています。

実際、各国ではどのようなブロックチェーンの導入事例があるのでしょうか。

中国でのブロックチェーンの市場は拡大し、金融の部門だけでなく、さまざまなビジネスに応用されています。

中国におけるブロックチェーンの研究開発やビジネスへの応用は、日本よりも進んでおり、世界のブロックチェーン市場を牽引しています。

その背景としては、官民をあげて研究開発・技術開発を推進していることがあげられます。

事実、ブロックチェーン市場は中国が全体のマーケットシェアの7割を占めており、二位のアメリカの12.2%を大きく引き離しています。

 

たとえば、2020年に、中国の国家ブロックチェーンインフラプロジェクト「BSN(Blockchain-Based Services Network)」が、6つの主要パブリックチェーンのイーサリアム(Ethereum)、イオス(EOS)、テゾス(Tezos)、ネオ(NEO)、ネルボス(Nervos)、コスモス(Cosmos)のIrisNetを統合することを発表しました。

また、暗号資産以外の分野でも、中国建設銀行が中小企業の資金繰りを支援するブロックチェーン・ベースのプラットフォームをローンチ、中国農業銀行ブロックチェーンを活用した融資システム、中国工商銀行ブロックチェーンを活用したサプライチェーンファイナンスなど、中国大手銀行が金融領域でのブロックチェーン技術を活用しています。

 

インドでも政府が積極的にブロックチェーン技術の開発を推進し、多数のブロックチェーンのプロジェクトが進行中です。インドのモディ首相は、ブロックチェーンは最新技術として投資家を誘致しています。

また、政府の草案には、政府運営のブロックチェーンプラットフォームが提案され、政府主導のプラットフォームでサービスとしての信用を得ようという戦略です。インドは、このようなブロックチェーン戦略で新興産業に積極的に介入し、促進しようと考えています。

 

一方日本では、上記に挙げられた国に比べてブロックチェーンの導入は後れを取っています。

諸外国では2016年以降から開発、実装されていたブロックチェーンですが、日本では、2018年、2019年にブロックチェーン技術の導入について議論されるようになりました。

日本は中国・アメリカなどのブロックチェーン先進国に比べて構想段階、実装段階で大きく後れを取っていて得ているナレッジ、導入実績、結果が少ないと言えるでしょう。そこで日本はコンソーシアム型ブロックチェーンの開発の注力が模索されています。

また、現在日本の政府でもブロックチェーン技術の活用について議論されており、行政システムのブロックチェーン化が発案されています。

現在、マイナンバーは総務省、免許証は警察省、戸籍、登記簿などは法務省、さらに戸籍・住民票は各地域の自治体での申請になっています。これはブロックチェーン化で管理されるようになったらスムースに申請が行えますね。

ブロックチェーンの構造的な疎結合のしやすさは私たちの生活をより便利にしてくれるものなのです。

 

また、PwCの報告書によるとブロックチェーン技術の潜在的な純利益は中国が4,400億ドルと最も多く、米国が4,070億ドルと続いています。そしてドイツ、日本、イギリス、インド、フランスはそれぞれ同時期に500億ドル以上の恩恵を受けると推定されています。

上記では、それぞれの国の政府のブロックチェーン戦略に関して解説してきました。では、民間の企業のブロックチェーンの導入についてはどのように考えているのでしょうか?

 

報告書で行われた調査では、世界中のCEO61%が、コアビジネスのオペレーションとプロセスのデジタルトランスフォーメーション(DX)を優先するべき事項のトップ3に挙げていることが明らかになりました。ブロックチェーンの可能性に各国のCEOたちは注目していますね。

 

今後、日本がブロックチェーン技術で世界を牽引していくには政府と民間の企業が力を合わせて研究開発に勤しむことが理想ですね。

PwCのグローバル・ブロックチェーン・リーダーであるスティーブ・デイヴィスは、報告書の中で、「ブロックチェーンをめぐる取り組みは今、世界中のあらゆる業界で繰り広げられている」と述べた。

また、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした経済活動への影響は、企業が次世代テクノロジーの導入を加速する動きをさらに強めていると、デイヴィス氏は話しています。

今後もブロックチェーン技術開発はIT開発のトレンドになっていきそうですね。

以上、今回はPwCがリリースした報告書をもとに各国のブロックチェーン技術への取り組みと世界各国の企業がブロックチェーンの導入を検討していることをご紹介してきました。

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引用元:Source: PwC “Time for trust” report, 2020

https://www.pwc.com/TimeForTrust