暗号資産(仮想通貨)取引で不正をしないためには? 顧客区分管理信託とは?

2020年1月に改正政府令案が公表され、暗号資産(仮想通貨)のあれこれも法改正されました。

資金決済法に関するさまざまな法制が更新されましたが、今まで通り知らずに取り扱っていると不正とみなされるケースもあります。

そこで今回は少しわかりにくい「顧客区分管理信託」と暗号資産(仮想通貨)における顧客区分管理信託の関係性について、噛み砕いて説明していこうと思います。

 

分別管理

 

「顧客区分管理信託」には「顧客」「区分」という言葉が入っていますね。

これは、「分別管理」とも呼ばれます。

まず「分別管理」とは何なのかを説明していきます。

 

分別管理とは、金融商品取引業者等が顧客から預かった金銭や有価証券について大切に保管することを約束することです。

たとえその金融商品取引業者等が経営破綻してしまった場合でも、お客様から預かった金銭や有価証券は確実にお返しできるように管理するということです。

 

このためには金融商品取り扱い業者は、有価証券を顧客から預かったものとそのほかのもので区別して取り扱いをする必要があります。

また、金銭の場合は「顧客分別金信託」として信金銀行に信託しなければなりません。

 

では、どのような状況において分別管理をしなければならないのでしょうか。

「金商法」の43条の2によると、分別管理の対象となる取引は、顧客から預託を受けた有価証券や金銭、および顧客の計算に属する有価証券・金銭なのだそうです。

また同書の35条1項からは付随業務に関しても対象となることはわかります。

 

しかし、「有価証券関連業に係る店頭デリバティブ取引」「選択権付債券売買取引」「信用取引に係る本担保証券及び本担保現金」に関しては分別管理の対象外となるようです。

 

少し難しいですが、「金融商品取引業者は、お客様のお金とそれ以外のお金を分けて管理しなければならない」ということを覚えておきましょう。

ここでは実際に日常的に触れる機会の多い法定通貨や、それに付随した有価証券の取り扱いについて説明しました。

ここからは、暗号資産(仮想通貨)「顧客区分管理信託」はなんの関係があるのかお伝えしていきます。

 

「顧客区分管理信託」と暗号資産(仮想通貨)の関係

 

暗号資産(仮想通貨)を取り扱っている取引所での信託保全においても、私たちが普段利用している法定通貨や有価証券同様、顧客から預かった金銭(トークンや暗号資産)は、会社の保有分とは別に管理しているようです。

ここで注意しなければならないことが一つあります。

それは、顧客の金銭や資産を預かっている業者の管理方法についてです。

いままでは、顧客から預かっている金銭の管理は、自己資金とは別の預貯金口座での管理が許されていました。

暗号資産(仮想通貨)において、顧客ごとに財産をすぐに判別できる状態にしてあれば管理しているとみなされていたのです。

しかし、法改正(法63条の11第1項)により信託会社への信託が義務付けられるようになりました。

これは、複数の管理会社を名乗った業者が、秘密鍵を外部のネットワークに接続されているウォレットである「ホットウォレット」で管理していたという暗号資産(仮想通貨)の流出事件が発生したことが発端で規制が変わったのです。

 

改正後の現在は、顧客から預かった暗号資産の分別管理において、秘密鍵を外部のネットワークに接続されていない「コールドウォレット」のような安全性の高い管理方法で管理することが原則となっています。

 

この方法以外での管理を認めてしまうと、序盤にもあった「業者側が何らかの原因で経営破綻したときも、預かっていた顧客の金銭を変換する」といった保証が成立しなくなってしまうのです。

 

また、改正府令案26条では、この「信託会社への金銭信託(利用者区分管理信託)の要件として金融商品取引法にきていする通貨関連デリバティブ取引等に係る金銭信託(顧客区分管理信託)と類似した方法によるべき」という規定もあります。

 

#まとめ

今回は「顧客区分管理信託」という少しマニアックなトピックスについてお伝えしていきました。

少々ややこしいお話かもしれませんが、顧客と管理会社、それぞれの立場を守るために今後も規制を時代ごとに改正していく必要がありますね。

デリバティブに関する詳しい記事も掲載していますので、ぜひチェックしてみてください。

また、暗号資産ジャーナルでは、暗号資産(仮想通貨)に関わるそのほかのお役立ち記事も更新していますので、そちらもぜひチェックしてみてくださいね!