暗号資産の税金

暗号資産(仮想通貨)取引を始めるにあたって、いろいろな使用用途をお考えの方がいらっしゃると思います。

そんな中でも暗号資産の利益確定の利益を得ることを目的にしていらっしゃる方は暗号資産の税金についてしっかりと考えておかないといけませんね。

暗号資産の税金について、ちゃんと仕組みを理解していないと、後々たくさんの税金を請求される場合があり、収集のつかない事態にもなりかねないので、きちんと暗号資産の税金について知っておきたいところです。

そこで今回は、暗号資産の税金について詳しく紹介していこうと思います

暗号資産の税金が発生するタイミング

まず、もっとも基本的なところからみていきましょう。

暗号資産の取引で必ずしも課税されるとは限りません。

暗号資産は保有しているだけでは課税はされませんが、以下の4つの場面において課税対象となります。

【暗号資産の税金】暗号資産を売却したとき

暗号資産を売却し、利益・損失が確定した段階で、売却金額が購入金額よりも高い場合は課税の対象となります。いわゆる利益確定のときです。

暗号資産の売却した場合は、暗号資産の売却金額から購入金額を引いたときに出る差額分が課税対象となります。

売却金額 - 購入金額 = 課税対象

暗号資産での買い物をしたとき

暗号資産でお買い物の支払いをしたときに利益・損失が確定し、決済時の時価が購入金額よりも高い場合、課税対象となります。

これは少し難しいですが、例えば10万円分のビットコイン購入したとします。

この購入したビットコインの価値が30万円まで値上がりし、30万円の価値がある買い物(例:バッグ)を購入したとき、課税対象は以下の通りになります。

買い物(バッグ代30万円)― 購入金額(10万円) = 20万円が課税対象

暗号資産を用いて他の暗号資産を買ったとき

暗号資産を他の暗号資産と交換する際に利益・損失が確定し、交換したときの時価が購入額より高ければ課税対象です。

この場合上のお買い物の事例と似ていますね。

例えばお買い物の事例と同じような状況で、10万円分のビットコインを30万円分のモナコインと交換したとします。

この場合も価値の差額分が課税対象となります。

モナコインの交換価格(30万円) - 購入金額(10万円) = 20万円が課税対象

暗号資産をマイニングで獲得したとき

マイニング(暗号資産を掘り起こす作業)に参加し、暗号資産を報酬として受け取った場合、報酬を受け取った時価からマイニング等を行った際に発生した費用を差し引いた金額が課税対象となります。

こちらも少しややこしい計算が必要になるケースもありますが、基本時にこの場合には、「もともと持っていた暗号資産を売却し、そのお金で購入・交換をした」と考えるとわかりやすくなります。

これら4つのタイミングが、暗号資産が課税対象となるタイミングとケースです。ではもう一度、暗号資産の課税対象になるケースを確認しましょう。

暗号資産(仮想通貨)を売却したとき
■暗号資産(仮想通貨)で買い物をしたとき
■暗号資産(仮想通貨)で他の暗号資産(仮想通貨)を購入したとき
■マイニングに参加して報酬を受け取ったとき

仮想通貨は 総合課税の雑所得 ! 他の所得と相殺できない

また、ここでひとつ注意しておきたいのは、暗号資産は総合課税の雑所得ということです。暗号資産の利益は、他で発生する所得と合算されて計算されます。

総合課税の雑所得の場合は、暗号資産で損失を抱えた場合も、他に給料所得があっても、損益が相殺されず合算されてしまいます。そのため、暗号資産の利益・損失は、他の所得とは別計算と覚えておきましょう。

ただし、暗号資産取引の勉強のために購入した書籍やセミナ―代などは費用として相殺することができます。買い物時のレシートや領収書、取引時の履歴や交換レートをしっかりと把握・保存し、これらをもとに取引ごとの損益をつけておくことを怠ってはいけません。

暗号資産にかかる税金と確定申告

さて、暗号資産に税金がかかるタイミングがわかったところで、「いくらかかるのか」という疑問が生じますね。

暗号資産の取引によって生じた所得は基本的に雑所得として区分されます。

雑所得とは、給与所得など各種所得と合算されたのちに課税される総合課税で、所得が増えれば税率が高くなる累進課税です。

住民税(約10%)を含み、最大で55%課せられます。

 課税される所得金額 税率 控除額
 195万円以下 5% 0円
 195万円超え 330万円以下 15% 97,500円
 330万円超え  695万円以下 20% 427,500円
  695万円超え  900万円以下 23% 636,000円
 900万円超え  1,800万円以下 33% 1,536,000円
 1800万円超え  4000万円以下 40% 2,796,000円
 4000万円超え 45% 4,796,000円

参考:国税庁 所得税の税率

計算式は   課税所得 × 税率 - 控除額 = 所得税額

となります。

損失は翌年以降に繰り越されず、損失が出た場合には他の所得分の所得と通算できないようになっています。株式投資やFX投資のように、3年間の損益通算がなされないのも仮想通貨の現状の課題です。

また、暗号資産による所得が20万円をこえる場合は確定申告が必要になります。 会社員など給与所得のある人は、暗号資産取引で得た所得が20万円以下の場合は確定申告は不要となります。

暗号資産取引で年間20万円以上の利益が出た場合は、 「雑所得」 として他の所得と合算されます。

仮想通貨税金逃れ

ここまでの話を読んで、

「日本の確定申告の話でしょ?なんだ、じゃあ海外取引所を利用している自分は当てはまらないのか…」

と思った方もいらっしゃると思います。

また、「日本での話なら、海外に行けば税金を払わなくてもいいのではないか?」と思った方もいるのではないでしょうか?

しかし、残念ながら、日本に在住していらっしゃる方が、海外の取引所を利用していたとしても申告することが求められています。

「データ上でのやり取りのみだし、大丈夫でしょう。」

と見落としがちな人もいますし、膨大なデータ量から一人を見つけ出すことは一見不可能にみえます。

ですが、他の国の税務局もユーザーを一覧にしてリストアップしているケースが多いのです。

加えて、日本の国税庁は必要であれば、国外の税務当局に情報の収集・提供を要請することができます。

なので、個人の取引の情報は簡単にみられてしまうので、「バレない」などと思って侮ってはいけません。

また、日本から海外への暗号資産の送金、出入金履歴、クレジットカード履歴など様々な履歴からたどられて申告漏れを疑われるケースも少なくありません。

また、データ上でやり取りをしているからこそ取引履歴を追跡されることも容易に想像できますし、昨今ではSNS上での投稿がきっかけでみつかってしまうこともあります。

ここで「申告しないとどうなるのか」が気になる方もいますよね。

無申告や過少申告の場合には金額や悪意の程度に応じてしっかりとペナルティーが科せられます。

延滞税の場合は年率の2.6%~14.6%重加算税の場合は約35%~50%の追加加算、脱税であれば所得税法違反として「10年以下の懲役」または「1,000万円以下の罰金」、もしくはその両方が科せられます。

自分に関係ないと思ってスルーしてしまうと、あとあと悲劇になりかねません。

連絡や請求が来ないことを「バレていない」と勘違いしてしまい、無申告分をあとあとまとめて請求される場合も大いにあり得ます。

暗号資産取引による利益が20万円を超える場合、面倒かもしれませんが、必ず確定申告しましょう。

「2020年度税制改正要望案」とは?

2019年7月19日に、暗号資産取引所を会員として構成している一般社団法人日本暗号資産交換業協会(JVCEA)が、金融庁に対し「2020年度税制改正要望書」を提出しました。

これは、金融商品取引法の暗号資産に関する改正を受け、暗号資産にかかる税金の取り扱いに関する改正を要望するものです。

要望書をまとめると、

  • 申告分離課税の適応
    • 暗号資産のデリバティブ取引・現物取引に株式取引やFX取引と同じように申告分離課税を適応し、税率20%とすること
  • 損益通算・繰越控除の適応
    • 損失が発生した場合、他の所得と相殺できる「損益通算」や、損失を3年間繰越できる「繰越控除」を導入すること
  • 少額非課税性導入
    • 少額の決済利用の所得については課税対象から外す「少額非課税制度」を検討してもらうこと

と、他の取引と同じように取引が行えるよう平等性を問うような要望が掲げられています。

これらの要望が通れば、個人投資家にとって税制上絶大なメリットのある内容ですね。

暗号資産は申告分離課税対象外!

しかし、同年12月12日、自民・公明両党により2020年度の税制改正大綱が正式にきまり、残念なことに、暗号資産デリバティブ取引が申告分離課税20%、損失通算、3年間の繰越控除の対象外であることが明確となってしまいました。

つまり、いまのところ要望はほとんど通らなかったというところです。

暗号資産はまだ完全に確立された制度ではないため、新しく改正を行うのがいささか難しい分野なのだと考えられます。

資産としてではなく、正式に通貨として広まるくらいに普及率が高まればこのような改正も行われる日がいずれ訪れるでしょう。

暗号資産と税金 まとめ

ここまででわかるように、暗号資産の税金のシステムは思いのほか複雑で、高いと感じられる方もいらっしゃると思います。

まだ不確かな点や確率されていない制度もあるので、他の取引に適応される特別な制度が適応されなかったり、計算が複雑だったりと、うっかり見落としがちな落とし穴が複数存在します。

しかし、一貫して言えるのは、「面倒だから」「高すぎるから」という理由で無申告や虚偽の申告をしてしまうとかえって面倒なことになったり、一生傷を負うことになりかねないので、やり方に不安がある方や心配な方は一度プロに相談されるのが得策といえます。

ルールを守って安全に取引できる方法を一度見直してみましょう。