暗号資産(仮想通貨)の両建てとは?両建ての意味と取引方法を解説

暗号資産の取引にも両建てがあることをご存じですか?

「そもそも両建てってなに?」と思う方もいらっしゃるかと思います。

今回は、両建てのしくみと、暗号資産(仮想通貨)における両建てについて解説していきます。

両建て取引ってなに?

「両建て」は、同じ銘柄の買いと売りの両方のポジションを保有することをいいます。

両建ては、基本的に同じ株数のポジションを持つことになるので、両建てしている間は価格に値上がりや値下がりの変動があっても損益は相殺されてゼロの状態になります。

そのため、暗号資産(仮想通貨)の価格変動による損失のリスクを回避するために行う人もいます。

買い値上がりしたところで決済し、売り値下がりしたところで決済すれば両方の利益を得ることもできます。

また、両建てのなかにもさまざまな手法があり、特にタイミングが重要となります。

例えば、「クロス取引」という手法は最初から両建てするケースで、「つなぎ売り」もともと買いのポジションを持っていて価格の値下がりに備えて後から両建てするという方法です。

「つなぎ売り」の場合は、両建てした時点で損益が相殺されるので、その時点で出ている損益を維持することができます。

両建てはどんな時に役立つ?

先ほどあった「損益は相殺されてゼロの状態になる」という部分を読んで「じゃあ両建てなんて意味ないじゃん…」と思われる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、両建てが有効な場面があるので、両建てがどんな時に役立つのか紹介していきます。

両建てがよく使われるタイミングは2つあります。

一つ目は「価格変動によるリスクを回避したいとき」です。

売りの場合は価格の値上がりによって、買いの場合は価格の値下がりによって損失が生じるリスクが発生します。

例えば「A」という暗号資産(仮想通貨)が1トークン1500円の時に500枚分購入下としましょう。

Aのトークンが1500円から1600円に上昇したら含み益が+5万円になります。

しかし、価格変動のリスクによって含み益が減少したり、含み損になってしまう恐れもあります。

そこで追加の売りポジションを持ち、両建てにすることによってリスクを回避します。

例えば価格が1トークン1400円まで下がってしまったとしましょう。

その時点で買いポジションは1トークン1500円で500トークン、「含み損-5万円」になってしまいます。

しかしここで先ほどの1600円の時に追加で売りポジションを持つと、売りポジションが1トークン1600円を500トークン、「含み益+10万円」となり、価格が1400円まで下がっても合計含み益+5万円の状態を維持できます。

もしも両建てを行っていなければ含み損-5万円になってしまっていました。

両建てによるリスク回避はこのように行います。

もう一つは、「ボックス相場での活用」です。

ボックス相場とは、一定の値幅で上昇と下落を繰り返すような相場のことを言います。

例えばこのようなボックス相場があるとします。

「上値1600円で売り」、「下値1400円で買い」で利益を狙うこともできますが、ボックス相場は永遠に続くわけではなく、いずれ上昇か下落が起こります。

そのため、ボックス相場の場合はあらかじめ両建てを行い、上か下、どちらかに抜けた方を決済し、一方の利益を伸ばすという方法で取引を行うことができます。

あらかじめ1500円で両建てを行って、1600円を抜けたら売りポジションを決済して損失を確定、買いポジションはそのまま継続保有して利益を伸ばしていくという手法です。

ただしこの場合の注意点は、買いポジションの利益を伸ばせないと損失が拡大してしまう可能性があるということです。

このように、両建てはさまざまな場面で利用できる投資手法です。

うまく活用できれば損失のリスクを回避できたり、利益を得られるチャンスも増えるので覚えておきましょう。

両建てのメリット

両建てのメリットは、暗号資産(仮想通貨)の値上がりや値さ上がりによる損失リスクを回避することができる点です。

これは先ほども説明したとおり、両建ては基本的に買いポジションと売りポジションを同じ量もつことになるので、両建てをしている間は値上がりや値下がりがあっても損益が相殺されるからです。

両建てを行う多くの人はこのメリットのために両建てを行います。

これは予期せぬ下落にも対応できるということになります。

仮に上昇トレンドの途中でまだまだ値上がりが見込める状況だとしても、一時的に下がってしまう局面もあります。

それでも「買いポジションを保持し続けたい」と考える反面「利益の減少をカバーしたい」と同時に考える場合などは、両建てを行うことによって値下がりのリスクを軽減することができます。

また、もう一つのメリットとして、損切を回避できるということがあります。

損切は、損失を確定させて投資商品を売却する方法ですが、両建てでは買いと売りの両方の注文を同時に売り払うことで損切せずに合計利益の確定ができます。

ただし、両建て取引で損切を回避するには2つの注文に同時に気を配らなければならないので、初心者には難しいテクニックかもしれません。

両建てでは、運が良ければ両方のポジションで利益を出すことができますし、習得すれば投資戦略の選択肢や幅が広がります。

両建てのデメリット

両建てには魅力的なメリットがある一方で、大きく分けてデメリットが2つほどあります。

一つ目に、手数料が2倍になるということです。

暗号資産(仮想通貨)での両建て取引を行う場合はレバレッジ取引で行うので、レバレッジ手数料がかかります。

また、両建ては2つの注文を行うので、手数料が本来の2倍かかってしまいます。

さらに、販売所で両建てを行う際はスプレッドの取引コストもかかります。

スプレッドとは買値と売値の差額のことで、一般的には売値と買値が同じではありません。

例えば買値が「1BTC=100万円」の時、売値が「1BTC=90万円」で1BTC購入する場合、10万円の含み損が発生します。

この10万円の差額がスプレッドと呼ばれるもので、売値が「1BTC=100万円」になってようやく収支がゼロになるのです。

スプレッドは利用する取引所によって違いますし、常に変動するものなので、両建て取引を行う場合はスプレッドが小さな取引所で取引を行いましょう。

二つ目に、必要証拠金が2倍になる可能性があります。

先ほどと同じように、両建て取引を行う場合は売り注文と買い注文両方分の証拠金が必要となります。

レバレッジ取引で大きな金額を取り扱い場合は、証拠金の額も大きくなりがちなので注意しなければなりません。

暗号資産(仮想通貨)で両建て取引を行う際には手数料や証拠金などが通常の取引の2倍の料金かかってしまう可能性があることを理解しておきましょう。

両建ての外し方

両建ての外し方は主に3パターンあります。

ひとつずつ見ていきましょう。

損失から外すケース

一つ目は、損失から外すケースです。

このケースは、ボックス相場などで両建てしている場合です。

ボックス相場のセクションでも説明があったように、ボックス相場で上抜けしたりすると、上昇トレンドに乗る場合もあります。

上抜けした場合は、まずは損失を抱えたポジションを外して、もう一方のポジションは利益を伸ばしてから決済を行います。

利益から外すケース

二つ目は利益から外すケースです。

これは、トレンドに乗っている銘柄で両建てを行う場合などに行います。

暗号資産(仮想通貨)の価格は、上昇トレンドにある場合も下降トレンドにある場合も、上昇と下落を繰り返しながら推移していきます。

そのため、上昇トレンドであっても、一時的な下落で売りのポジションを手に入れて利益を狙うことができます。

このような状態で両建てをする場合は、利益を外してもう一方でも利益を狙うことができます。

同値撤退のケース

三つ目は「同値撤退」のケースです。

同値撤退とは、その名の通り自分が保有した取得単価と同じ価格で撤退する場合のことです。

これ以上損失を出さないようにするという意味合いが込められています。

同値撤退は、価格の動きが読めない時などに行います。

例えば、価格変動のリスクに備えて両建てを行ったとしましょう。

ところが、価格が思ったよりも下がってしまい、いつまで下がり続けるかわからない状態になってしまいました。

動きが読めない状況で、どちらか一方を外してしまうと大きな損失を被る恐れもありますよね。

そのため、このような状況では同値で売りも買いも決済して取引を完了させてしまいます。

同値撤退の場合はそれぞれの損益が相殺されるので、両建て以降の価格変動による損益はゼロで終わらせることができます。

まとめ

いかがでしたか?

今回は暗号資産(仮想通貨)の両建てに関して細かく見ていきました。

両建ては他の手段に比べて取引コストがかかってしまう取引方法ですが、保有しているポジションを決済することなく下落リスクをヘッジすることが可能な方法です。

リスクヘッジのためにさまざまな取り引き方法は知っておいて損はないので、ぜひ覚えておきましょう。

暗号資産ジャーナルでは、日々お役立ち記事を更新しています。

皆さんのお役に立てる記事もきっとあるので、気になった記事はぜひチェックしてみてくださいね!

おすすめの記事