
昨年(2020年)12月末から話題となっているリップル社の訴訟問題ですが、2021年1月13日、その件に関する日本金融庁の見解が示されました。
金融庁は、暗号資産(仮想通貨)リップルを有価証券とは考えていないという、米証券取引委員会とは対照的な見解をウェブメディアの「The Block」に示しました。
この意見の背景には、米証券取引委員会(SEC)がリップル社およびGarlinghouse CEO、共同開発者のChris Larsen氏を、違法有価証券販売による資金調達を行った疑いで提訴したことがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
金融庁は「資金決済法のもとで、XRPを仮想通貨とみなしている」とEメールで話しており、同メール内で他国の見解についてのコメントはしない旨を示したそうです。
The Blockによると、リップルが日本の法律下では証券としての要件を満たしていないことが先ほどの見解の根拠のようです。
この日本金融庁による見解は、米証券取引委員会のリップル社に対する訴訟に無関係のようですが、日本金融庁がこの見解を示すことによって規制当局間でもリップルに対する意見が割れていることを明確にしています。
また、リップル社に出資しているSBIホールディングス代表取締役社長の北尾吉孝氏は、以前から日本でのリップルの法的ステータスに関しての立場を明確に示していて、SNSでも「日本の金融庁はXRPが証券ではないと既に明言している」と投稿しています。
SBIホールディングスは、リップルとそのエコシステムを強く支持している模様です。
さらに、野村総合研究所(NRI)フェローの大崎貞和氏は、日本の法律上ではXRPが資金決済法上の暗号資産であることを示すレポートを発表しており、「募集または売り出しにあたって金融庁への有価証券届出書の提出を義務付けられる金融商品取引法上の『有価証券』には該当しないという解釈が確立されていると言ってよい」との見解を示しました。
なお、この訴訟問題が日本の法解釈に直接影響を及ぼすことはありません。
今年2月22日にはSECとリップル社の初の審理前会議が行われることが予定されています。
参考:Japan’s top securities regulator says XRP is not a security