イーサリアム高騰の鍵、”The Merge”について解説します。

イーサリアム(Ethereum)/日本円のチャート - BitFlyer

 

2022年7月29日現在、イーサリアムは高騰しており、同年6月上旬以来の23,000円超えをマークしています。

この高騰の大きな理由の一つが、今回のテーマである”The Merge”です。

“The Merge”は2022年9月19日に予定されているイーサリアム史上最大級のアップデートのことで、これに対する投資家の注目度の高さが、イーサリアムの価格上昇に繋がっていると言われています。

ではそんな”The Merge”は一体どんなアップデートなのか、そして何がそこまで投資家の注目を惹きつけるのか、解説していきます。

“The Merge”とは

The Merge - Ethereum

前述の通り、”The Merge”とはイーサリアム史上最大級の大型アップデートです。

では一体どんなアップデートなのでしょうか。

 

イーサリアム2.0

“The Merge”を理解するためには、まず元々のプロジェクトである「イーサリアム2.0」について理解する必要があります。

イーサリアム2.0とは、イーサリアムの抱える問題点や弱点(ネットワークの速度、効率、スケーラビリティ)を克服するために立ち上げられた大規模なアップデートプロジェクトです。

つまり、「現行のイーサリアムを改善するために、こんな風にアップデートしていこう!」という試みのことですね。

そしてこのイーサリアム2.0にはフェーズ(段階)が3つあります。

1つ目は、Beacon Chain(ビーコンチェーン)の導入です。

ビーコンチェーンでは、イーサリアムのブロックチェーンにステーキングを導入し、コンセンサスアルゴリズム(ブロックチェーンのブロック生成における合意形成の仕組み)がPoW(Proof-of-Work)からPoS(Proof-of-Stake)へと移行する際の重要な基盤システムになります。このビーコンチェーンは、イーサリアムのメインブロックチェーンとは別のブロックチェーンになります。

2つ目が、今回取り上げる”The Merge”です。

mergeとは「合体」を意味する英単語で、文字通り1つ目のフェーズで導入されたビーコンチェーンをイーサリアムのメインブロックチェーンに統合し、イーサリアムのネットワークをPoWからPoSへとアップデートすることが出来ます。

3つ目は、シャーディングの導入です。

イーサリアムネットワークが抱えるスケーラビリティの問題を、シャードチェーンを導入することで、解決する試みです。

つまり、”The Merge”は「イーサリアム2.0」という大型アップデートプロジェクトのフェーズ2に当たるということです。

 

コンセンサスアルゴリズムの変更

上記の通り、”The Merge”ではコンセンサスアルゴリズムが従来のPoWからPoSへと変更されます。

コンセンサスアルゴリズムとは言い換えるなら「マイニングの承認システム」で、仮想通貨の取引を記録するためのブロックチェーンを新しく生成するマイニングのシステムが変更になるということです。

ではPoWとPoSの違いを簡単に見ていきましょう。

 

PoW(プルーフオブワーク)

既存のネットワークで用いられているコンセンサスアルゴリズムであるPoWは、最も早く計算処理を行ったマイナーの結果を正しいものとし、データの正当性を担保する方法です。つまりProof of Workとはその名の通り、「仕事による証明」なのです。

メリット

PoWのメリットとして一番に挙げられるのは、不正に強いということです。PoWというシステムにおいて報酬を得るためには、マイナーが他者より先に正解であるハッシュ値を見つける必要があります。それを可能にするには、他者よりも処理性能の高いコンピュータでマイニングに参加する方が有利ですが、そのようなコンピュータ購入費などのコストは必然的に高くなります。マイニングで受け取れる報酬よりもコストが上回っては意味がないので、処理性能を向上させられる範囲にも限界があり、特定の者による処理の独占が起こりにくくなる特徴があります。

デメリット

PoWのデメリットとしては、電気使用量の増加があります。マイニングに使用するコンピュータの電力使用量は暗号資産の普及に伴って驚くべきスピードで増加しており、現在では一国の総電力使用量すらも上回ると言われています。コスト面にも負担はかかりますが、さらにそれだけの電力を使用するとなれば、化石燃料由来の電力供給源により、地球温暖化などの環境問題が悪化するという指摘が相次いでいます。

 

PoS(プルーフオブステーク)

一方プルーフ・オブ・ステークはどうでしょうか。

「掛け金の証明」という言葉が示すとおり、その暗号資産(仮想通貨)に対する掛け金、つまり保有量が多ければ多いほど、データの承認役として指名される確率が高まります。

そして承認作業が完了すると、承認してくれた参加者に新たな暗号資産(仮想通貨)が報酬として付与されます。

メリット

プルーフ・オブ・ステークのメリットは、プルーフ・オブ・ワークの問題を起こりにくくしていることです。膨大な電気代や環境への負荷をかけなくても承認が進みます

 

また、マイナーの固定化に伴う「51%攻撃」という問題も起きにくいです。51%攻撃とは、悪意を持ったマイナーが全体の過半数の計算能力を手に入れたときに、ブロックチェーンをコントロールできてしまう問題のことを言います。プルーフ・オブ・ステークであれば、どれだけ計算能力が高くてもブロックチェーンをコントロールできないので、51%攻撃の発生する可能性は下がります。

 

デメリット

一方、プルーフ・オブ・ステークならではのデメリットも存在します。

プルーフ・オブ・ステークでは、多くの暗号資産(仮想通貨)を長期間にわたって保有していた方が有利という特徴があり、そのため短期間で売却しようと考える保有者が少なくなる可能性があります。そうなると、通貨の流動性が低下し、暗号資産自体が発展することへの妨げになりかねないという声もあります。

 

価格の高騰は続くのか

大方の予想では、”The Merge”前後まではイーサリアムの高騰は続くのではと言われています。ただ、リスクとして挙げられるのが、価格が吊り上がった後の「叩き売り」です。

投資する人々が、「The Merge」の何年にも及ぶネットワーク改善への努力の真の意味を見出していれば、そのような事は起きないかもしれませんが、このアップデートを一つの投機的な側面と捉える人が多ければ、アップデートの前後で価格の下落が起きるかもしれません。

数年前のような真の強気相場は、FRBが金融引き締め政策を終えない限り、起こり得ないかもしれませんが、そんな状況下でありながら、この”The Merge”は高騰の一つの要因となるかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?今回はイーサリアムの大幅アップデート、”The Merge”について解説しました。

他にも暗号資産に関する記事を投稿していますので、ぜひご覧ください!

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