
前回の記事では、NFTが何なのかについて解説しました。
みなさんは、2021年9月に、ある小学生の夏休みの自由研究が話題になったのをご存じですか?
小学校3年生の、通称「Zombie Zoo Keeper(ゾンビ動物園飼育員)」くんが、夏休みの自由研究で作ったピクセルアートを販売し、約80万円分のイーサリアムを稼いでしまったのです。
このニュースを見て、「NFTアートを購入してみたい!」、「NFTで自分の作品を出品してみようかな…」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、NFTアートの出品の仕方や、販売・購入の方法、注意点について解説していきます。
目次
NFTとは?
NFTは、「Non Fungible Token」の略で、代替不可能なトークンという意味です。
唯一無二なデジタル資産を、インターネット上で取引するということです。
いまやアートすらもデジタルで取引可能になってしまったのです。
これを、既存のブロックチェーン技術を利用して作っている概替え不可能なデジタル資産なのです。
NFTに関する詳しい解説は、こちらでご覧いただけます。
NFTアートとは?
では、NFTについてわかったところで、NFTアートについて解説していきます。
NFTアートとは、ブロックチェーン技術を用いて作成される代替不可能なデジタルアートを指します。
デジタルアート自体はこれまでも数多く存在しています。
作ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これまでのデジタルアートは簡単にコピー・改ざんできるものが多かったので、残念なことに資産価値がほとんど生まれていませんでした。
そのせいで多くのアーティストが、アートで話題を生まなければ売れず、アート自体で利益を得ることができず、悩んできたかと思います。
しかし、ブロックチェーン技術を利用して「所有証明書」を発行することで、デジタルアートの偽造が不可能になり、デジタルアートでも資産価値が生み出せるようになりました。
そのアートを最初に所有したのは誰か、そのアートの所有履歴はどのようなものか、といった情報がすべて記録・管理され、確認できるようになったのです。
生成されたNFTアートは、簡単にネット上のマーケットプレイスで取引でき、かなりはじめやすくなりました。
Adobe社のPhotoshopやIllustratorを使えば、だれもが簡単にNFTアートを作成・出品することができるようになりました。
作成されたNFTアートは、NFTマーケットプレイスにログインすればだれでも簡単に売買に参加できます。
NFTプラットフォーム
NFTを取引する場所のことを「NFTプラットフォーム」といいます。
現時点での主要なNFTプラットフォームはこの3つです:
- コインチェック
- OpenSea
- Rarible
では、それぞれのプラットフォームを詳しく見ていきましょう。
コインチェック
Source:Coincheck
コインチェックは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など計17種の暗号資産(仮想通貨)を取り扱っている、日本代表するおなじみの取引所です。
コインチェックは、2021年3月24日に暗号資産(仮想通貨)とNFTを交換できる「Coincheck NFT(β版)」のサービス提供を開始しました。
コインチェックのNFTマーケットは「β版」なのでNFTアートには対応していませんが、特定のゲーム内のみで使用できる土地やカードのみを売買できるという状況です。
Coincheck NFT(β版)で売買できるものは、「CryptoSpells」や「The Sandbox」、「NFTトレカ」、「Sorare」などですので、気になる方はチェックしてみてください。
OpenSea![]()
Source:OpenSea
OpenSeaは、世界最大のNFTプレっとフォームです。
アカウント開設、登録から売買までの流れがシンプルで、誰もが簡単にNFTの取引に参加できるという点で注目を集めています。
最大の魅力は、「初回の取引以外で『ガス代』(ブロックチェーン上の手数料)が発生しない」というところです。
取引をしているユーザーの多くは海外の方々ですが、世界的なアーティストの村上隆氏やせきぐちあいみ氏、UVERWorldのTakuya∞氏などの日本を代表する著名人の方々も過去に出品を行ったことで話題になっています。
Rarible
Source:Rarible
NFTプラットフォームとして、OpenSeaの次に有名なのがRarible(ラリブル)です。
Raribleの特徴は、ユーザーインターフェイスがシンプルなところで、OpenSeaよりもさらに簡潔にNFTの売買が行えるという点です。
また、Raribleでは、独自発行の「RARI」というトークンが利用できます。
ただし、こちらではガス代がやや高めに設定されているので、運用コストに注意しながら取引を行わなくてはなりません。
NFTアートの出品/販売・購入方法
購入方法
ここからはNFTアートを購入する手順を説明していきます。
今回はOpenSeaを使ってNFTアートを購入する方法について説明していきます。
ざっくりとした流れは以下の通りです。
- 暗号資産取引所のアカウントを作成
- ウォレットを作成
- 暗号資産取引所からウォレットに入金をする
- OpenSeaに登録し、NFTプラットフォームにログインする
- NFTアートを探し、気に入ったものを購入する
NFTアートを購入する際には、暗号資産取引所のアカウントを持っていなければいけないので、まだ口座を持っていないという方はこちらからアカウント開設方法をチェックしてみてくださいね。
今回はNFTプラットフォームのひとつとしても紹介したCoincheckのアカウント開設方法をオススメします。
また、ウォレットの準備も必要です。
ウォレットを利用する際には、代表的なものに「MetaMask(メタマスク)」というものがあり、Chromeウェブストアから拡張機能をダウンロードできます。
MetaMaskでウォレットを準備する際に「秘密のバックアップフレーズの確認」という画面が出てきます。
この手続きは省略することも可能ですが、行っておくとアカウントのバックアップや復元が簡単にできるので、安全性が増してオススメです。
そしてウォレットの準備ができたら、暗号資産取引所からウォレットに入金をします。
OpenSeaなどのNFTプラットフォームはイーサリアム(ETH)を使って取引を行うので、コインチェックでイーサリアムを購入しておきましょう。
さて、ここまで準備ができれば、いよいよOpenSeaでのアートの購入に進みます。
ここからは画像付きで説明を行っていきます。
まずはOpenSeaにアクセスし、トップページ右上にあるアカウントマークから「My Account Settings」をクリックします。
するとMetaMaskの接続画面が出てくるので、「Sign in」をクリックします。
ここでポップアップウィンドウが開き、MetaMaskのアカウント一覧が表示されますので、登録したアカウントを選択し、「接続」を押します。
「署名の要求」の画面へ置こうしたら、そのまま画面下の「署名」をクリックします。
そうすると、ユーザー名とメールアドレス登録画面が現れるので、「Username」と「Email Address」の欄にそれぞれ記入を行います。
この際「Bio」という項目には記入をしなくても大丈夫です。
ここまで終わると、登録したメールアドレスにメールが届くので、中に「VERIFY MY EMAIL」と記載されているものをクリックするとメール認証が完了できます。
これでOpenSeaへの登録は完了です。
あとはお好みのNFTアートを探して購入するだけです。
OpenSeaの会員ページのトップ画面を見ると、NFTアートの作品一覧が表示されており、複数の条件を指定して自由に検索することができます。
好きなNFTアートが見つかれば、その作品をクリックすることで詳細ページに飛ぶことができます。
詳細ページにはETHベースで価格が表示されており、「Buy now」をクリックすれば購入ができます。
NFTアートの作成、販売・出品方法
NFTアートの作り方、販売・出品の手順について説明していきます。
ざっくりとした流れは
- オリジナルアートを用意
- プラットフォーム上でオリジナルアートの詳細を記入
- NFTとしてプラットフォーム上にアップロード
暗号資産取引所のアカウント作成やウォレット作成の手順などは先ほど説明した通りです。
オリジナルアートは、作成したデジタルアート・音楽・映像・画像などのことです。(著作権を侵害する作品は除きます)
ほとんどのクリエイターは、PhotoshopやIlluastratorを使ってアートを作成しています。
次にプラットフォーム上でオリジナルアートの詳細の記入を行います。
引き続きOpenSeaで説明していきます。
今度は投稿なので、OpenSeaのトップ画面の「Create」または画面中央の「作成」をクリックします。
「Create new item」というページが表示されたら、作品データのアップロードおよび必要事項に記載をします。
*がついている項目を入力すれば大丈夫です。
ここで、「Description」(詳細)の記入となりますが、作品の内容がわかりやすい方がいいので、できるだけ詳細に記入しておきましょう。
すべての入力が終わったら、画面下の「Create」をクリックしましょう。
この時点ではまだ出品が完了していないので注意しましょう。
最後に、NFTとしてプラットフォーム上でアップロードします。
さきほどまでの手続きが完了すると、オリジナルアートの詳細画面が表示されます。
正式に出品を完了させるためには、詳細画面の右上にある「売る」をクリックしてください。
すると、販売方法の設定画面が現れます。
販売方法には、「Set Price」(固定価格)と「Highest Bid」(オークション)、「Bundle」(グループ販売)の3種類があり、自由に選択できるようになっています。
たとえば、Highest Bid の場合は、オークション買いしか書くと最終落札価格、オークション期間を選択・入力すれば設定完了となります。
すべての設定がおわれば、「Post Your Listing」(以上を投稿する)をクリックします。
これで販売・出品方法の手続きはすべて完了です。
注意点
NFTを購入するにあたって注意すべきことがあります。
NFTの取引はトラブルがあっても自己責任になってしまうので、回避するためにも留意しておきましょう。
- 取引手数料の確認
NFTの購入に関連して、手数料がかかるタイミングが複数あります。
暗号資産(仮想通貨)の購入、送金、実際のNFT購入時などにかかる手数料が1回数千円かかることもあるのです。
購入価格とは別にそれらを用意しておく必要があるので、購入時に残高不足にならないように気を付けましょう。
- 保管場所
NFTの保管場所をきっちり確保しておきましょう。
パソコンのブラウザー版のウォレットは、どのブラウザーを使ったか忘れてしまいがちです。
購入した暗号資産(仮想通貨)やNFTを万全な体制で保管するならスマホ用のモバイルウォレットをおすすめします。
- コンテンツの著作権
NFTを購入する場合は、著作権に関しては特に敏感になりましょう。
今購入使用としている作品は、本当に売主が著作権を保有しているものなのか、誰が作成したのか、他に誰かが保有したことがあるのか等を良く下調べしてから購入を検討しましょう。
NFTは「発行者のものである」ということは証明してくれますが、「発行者が本物かどうか」は証明できないので、自分で見極める必要があります。
そのほか、詐欺にも注意する必要があります。
詐欺などに関する注意点はこちらの記事にまとめてありますので、詳しくはこちらもチェックしてみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
NFTアートがどのようなものなのか、どのように購入したらいいのか、取引する際に何を気を付けたらいいのかなどがお分かりいただけたかと思います。
オンライン上でオリジナルアートが気軽に投稿でき、販売できる時代になったことがよくわかりますよね。
これからも新しいアーティストがどんどん生まれ、アート界も暗号資産界も盛り上がっていくと思うとわくわくします!
当サイトでは他にもたくさんのお役立ち記事を日々更新しています。
皆さんの気になる記事があれば、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!