ESG投資とは何か。ビットコインへの影響は?

最近巷でよく聞くESG投資という言葉。環境や人権に関連したワードであることは分かるけど、「SDGs」「CSR」と何が違うの?と思われている方も多いと思います。

今回は、それらの言葉の意味を整理するとともに、ESG投資の将来性と、暗号資産への関連について考えていきます。

ESGとは

まず、ESGという言葉の意味について説明していきます。

ESGとは「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字をとって組み合わせた言葉です。

そして、これら3要素が投資家や金融機関が企業を評価する際の新たな判断基準になるべきと国連が提唱しているのです。

では具体的にそれぞれの言葉の意味を深堀しましょう。

Environment(環境)

世界が持続的な発展を遂げるために、我々が暮らす地球の様々な環境課題(気候変動、生物多様性、廃棄物、水資源等)に対して取り組みをしていること。

Social(社会)

より豊かな社会実現のために、人々の生活を脅かす社会課題(性別・国籍などのダイバーシティ、人口問題、社会格差、労働問題)について取り組みをしていること。

Governance(ガバナンス)

しっかりとした管理体制(法令順守、権利保護、情報開示)を保持し、企業が健全な経営を行うために取り組みをしていること。出典:ESGとは - 野村アセットマネジメント

SDGs、CSRとの違いとは

SDGs、CSRと何だかESGと似たような意味の言葉がたくさんあるので違いが分かりづらいですよね。

ここではそれぞれについて簡単に説明していきます。

SDGs

SDGsはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、これは「2030年までに達成する国際的な開発目標」のことです。

具体的には「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」「気候変動に具体的な対策を」などがあります。

つまり、これは国際社会全体の目標であり、CSRやESGはこれを元に成り立っています。

CSR

CSRはCorporate Social Responsibility(企業の社会的責任)の略で、人権の尊重をはじめとする「7つの原則」と公正な事業慣行などの「7つの中核主題」が示されています。

つまり、企業が社会的にすべきことを定めているのがCSRです。

なんとなくそれぞれの意味が分かっていただけましたでしょうか。

正直に言ってしまえば、これらはどれも「持続可能性(Sustainability)を実現するために、事業を通じて取り組むべきこと」を意味しています。

つまり、それぞれの言葉の成り立ちは違いますが、コアとなる価値観はどれも同じということです。

あえて違いをあげるならばその「主体」でしょうか。

それぞれの言葉において主体となるのは

SDGs:国際社会

CSR:企業

ESG:投資家

です。主体は違えど目指すものは皆同じということですね。

ESG投資とは

ではESG投資とはなんでしょうか。

これは、ESGを判断基準とした投資のことです。

つまり、環境(Environment)、社会(Social)、およびガバナンス(Governance)の3要素を投資の判断基準にし、長期的に持続可能な企業や事業に対して投資をするということですね。

このESGを投資の視点として世界が取り入れるようになったきっかけが、国連責任投資原則(PRI)でしょう。これは国連事務総長が提唱した投資における原則のことで、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年にこれに署名したことを受け、日本でも広がりを見せています。

ESG投資の種類

ESG投資には大きく分けて8つの種類があり、それぞれの特徴を簡潔に説明していきます。

  1. ネガティブ・スクリーニング

ESG投資において代表的な投資手法です。

将来の投資リスクの観点で、特定の業界を投資対象から外してしまうことを言います。武器、タバコ、アルコール、化石燃料、ギャンブル、ポルノに関連している企業などが実際に除外されています。

  1. ポジティブ・スクリーニング

こちらは「ネガティブ・スクリーニング」の反対の考え方です。ESGへの取り組みが相対的に高く評価される企業を選び、投資対象とする手法です。

  1. 国際規範に基づくスクリーニング

ネガティブ・スクリーニングとは少し異なり、経営や運営において、「国連グローバル・コンパクトの10原則」規範をもとに、それらの基準を満たしていない企業や業界を投資対象から除外する手法です。

  1. ESGインテグレーション

従来の投資で活用されてきた「財務情報」に加えてESGを考慮して投資する手法です。

  1. サステナビリティ・テーマ投資

ESGの中のテーマに特化した事業を運営する企業、業界に投資する手法です。テーマには、再生可能エネルギー、水ファンド、ヘルスケアなど様々なものがあります。

  1. インパクト投資

環境や社会に大きな影響を与える企業や業界を狙って投資する手法です。中にはクラウドファンディングなどの方法を介し、誰でも小額からスタートできる方法もあります、

  1. エンゲージメント/議決権行使

これは上記6つの手法とは少しことなり、株主の立場から、実際に経営にエンゲージメントしながらESGへの取り組みについて働きかける手法のことです。

ESGがビットコインに与える影響

ここまででESGについてある程度理解ができたかと思います。ではこれがビットコインをはじめとする暗号資産にどのような影響を与えるのでしょうか。

2021年5月13日に、テスラCEOのイーロンマスク氏が以下の画像をツイートしました。

Elon Musk - Twitter

「テスラはビットコインを使っての自動車購入を停止しました。我々は、ビットコインのマイニングと取引に伴う化石燃料、特に石炭の急速な利用増を懸念しているためです。

 暗号資産はさまざまな面で良い考えであり、その将来性について信じることに変わりはありませんが、環境への大きな負担は看過することができません。

 我々が保有するビットコインは売却せず、ビットコインがより持続可能なエネルギーによってマイニング可能になり次第、決済手段として採用させていただきます。さらに我々は、ビットコインよりも圧倒的にエネルギーを必要としない、他の暗号資産にも注目をしています。」

このツイートはビットコインの市場に少なくない影響を及ぼしました。

同年4月には1BTCが700万円を超えたビットコインですが、5月には320万円前後まで落ち込みました。

もちろん様々な要因が複合的に絡み合った結果ではあるでしょうが、このツイートが最大の要因と言う人も少なくないのです。

ビットコインのマイニングに大規模なコンピュータの計算が必要になるのは言わずもがな、それに伴い莫大な電力が必要になります。そのほとんどは化石燃料由来のエネルギーによってまかなわれており、温室効果ガスの排出が進んでいます。

イーロンマスク氏はツイートにて、持続可能なエネルギーによるマイニングを推奨していますが、マイニングというシステム上、マイニング業者がコストの高い代替エネルギーに移行していくことは現時点では考えづらいですよね。

もしかすると、ESGの盛り上がりは、ビットコインにとってこれからの大きな向かい風になるかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ESG投資と暗号資産への影響について理解できましたか?

SDGsが叫ばれる昨今、投資の分野においても持続可能性という側面がますます重要視されていくと思います。

今後そのムーブメントが暗号資産をどのように変革していくのか、注目ですね。

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