
ここ数か月、中国で暗号資産(仮想通貨)取引関連サービスを提供している企業やプラットフォームが多く撤退していきました。
中国人民銀行(中央銀行)が暗号資産(仮想通貨)関連の決済や取引サービスを全面的に禁止したことが原因となっているようで、中国で行われているマイニング等の活動が実質的にできなくなってしまいました。
今回は、中国からのビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)業界撤退についてお伝えしていこうと思います。
目次
中国で暗号資産(仮想通貨)が全面禁止
中国で暗号資産(仮想通貨)の取引に対する取締が年々厳しくなっていることはたびたびニュースで報道されています。
実際に目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
現に過去に18回も暗号資産(仮想通貨)は禁止令を出されているのです。
そして年々厳しくなっていくのを感じる一方で、これといって決定的な禁止令もなく、中国での暗号資産業界が活発化することも多々ありました。
しかし、19回目にあたる9月24日に発せられた禁止令は今までと違い大きな影響を与えたと見られています。
中国人民銀行と国家改革発展委員会が「暗号資産(仮想通貨)のマイニングを法律で禁止する」、「すべての暗号資産(仮想通貨)取引を違法とし、中国国民に取引サービスを提供しているすべての企業・プラットフォームに対して違法な金融活動に従事しているとみなす」という二つの通達を出したのが今までとの決定的な違いとされています。
Twitterのユーザー間でも「今回は本気なのでは」とささやかれ、とうとう本格的に中国での暗号資産(仮想通貨)活動が全面禁止になることが予想されています。
今までの規制強化
中国では、2013年以降国内での暗号資産(仮想通貨)取引への取締が年々厳しくなっています。
2013年には、政府がビットコインを「仮想コモディティ」として認定しました。
「仮想コモディティ」とすることで、当時は個人のオンライン取引への参加は可能でした。
しかし、同年の終り頃になると中央銀行などの規制当局が、銀行と決済差0ビス企業がビットコイン関連サービスを提供することを禁じました。
2017年の9月には、当局は「投資家保護」と「金融リスク抑制」の名目でICOを禁止しました。
これにより、暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームでの暗号資産と法定通貨の交換が不可能になり、多くの企業やプラットフォームが中国から撤退・閉鎖し、海外へと拠点を移しました。
さらにこの規制により、ICOや暗号資産(仮想通貨)の口座開設や登録、トレーディング、決済、清算などのサービスも執り行えなくなってしまいました。
中央銀行によれば、2018年7月までには暗号資産取引プラットフォームが88、ICOプラットフォームが85市場から撤退したそうです。
取り締まり厳格化の理由
ビットコインの市場価格が高騰する中での中国の暗号資産(仮想通貨)撤退には、昨今開発が続けられている「デジタル人民元」と呼ばれる中央銀行デジタル通貨(CBDC)が大きく関わっているのではないかと予想されています。
「人民元が保有する資産の安全性」を損なわないためになされた策とされています。
中国の投資家の多くは、海外に拠点を移動させたプラットフォームのHuobiやOKExなどを利用したり、わずかな時間でオンライン講座が解説できるバイナンスやMXCなどの取引所を利用したりしていました。
しかし、これらの取引も銀行やアリペイ、ウィ―チャットペイなどの決済サービス企業を通じているので、銀行や決済企業も違法な暗号資産(仮想通貨)取引を見つけ出そうとしている模様です。
取り締まりが厳しくなり、国内でのユーザーを着実に減らすことに成功している一方で、ひとつ矛盾が生じます。
それは、デジタル人民元の開発でも垣間見えるように、中国が暗号資産(仮想通貨)の取締を厳しくする一方で、暗号資産の基盤となるブロックチェーン技術に関して積極的な取り入れを行っているという点です。
この動きの裏のどのような意向があるのか、まだはっきりと言えることはありませんが、暗号資産(仮想通貨)の排除を行いながらもブロックチェーン技術を発達させ、自国がその分野で先進的な立場にいようとしているようにもみえます。
まとめ
いかがでしたか?
中国で暗号資産(仮想通貨)業界に対する取締が強化されている理由や事情がすこしでもお分かりいただければ幸いです。
今後この取締が暗号資産業界全体にどのような影響を及ぼすか必見ですね。
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