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暗号資産が盛んな街としてよく挙げられるのがこのツークという街。スイス・ツーク州の州都であるこの街には、暗号資産を始めとしたフィンテック関連企業が軒を連ねています。今回はこのツークという街について解説していきたいと思います。
目次
スイス・ツーク市とは
スイス・ツーク市はフィンテック関連の企業が数多く進出しており、特に500を超える暗号資産関連事業者が軒を連ねることから、暗号資産(Crypto Currency)の谷という意味で「クリプトバレー」と呼ばれています。

この湖畔の静かな街には、グリム童話に出てくるようなレンガ造りの家々が立ち並んでいます。しかしその表札には名だたるIT企業が連なっていたり、広場のカフェでは暗号資産が使用できたりと、今昔の混合がなんとも興味深い街です。
暗号資産関連企業がツークに集まる理由
ではなぜ、暗号資産関連の企業がツークの街に集まるのでしょうか。
3つの側面から考えていきます。
暗号資産に対する規制
スイスには、日本における金融庁と同等の役割を持つ、FINMA(スイス金融市場監査局)という組織があります。
FINMAは
また、法人税が世界トップクラスに安いスイスの中で、ツークはさらに安い水準を誇っています。利益追求をする企業にとっては、安い法人税というのは魅力的ですよね。
金融の歴史
スイスの銀行業は非常に長い歴史を持ちます。中でも有名なのはその守秘義務です。匿名で口座を管理でき、それを守秘義務にて強固に保護するその特徴から、多くの資産家が資産を預けていると言われています。
また、スイスの法定通貨であるスイスフランは、抜群の安定感を誇り、金融の基盤となるしっかりとした通貨を持っています。
このように、スイスは金融基盤がしっかりとしている国であることが、新たな金融の形である暗号資産を扱う企業が集まる理由になっているのかもしれません。
他企業の追随
ツークにはイーサリアム財産を始めとした暗号資産プロジェクト企業や、マイニング企業が本社を置いています。
暗号資産に関連する企業は、このような組織が集まる場所に会社を移すことで、開発に携わることができたり、情報交換を頻繁に素早く行うことができます。
このように、大手の暗号資産企業が最初に会社を移したことで、他の企業の追随を招いたのも大きな理由の一つでしょう。
ツークのこれから
ツーク市には現在、暗号資産だけでなくブロックチェーンの関連企業や、データ解析、e政府事業、中国のBATHを始めとしたIT企業など、本当に多岐にわたる新興企業が集まっています。
国家ぐるみで、暗号資産やブロックチェーンなどの新興技術をサポートし、新たな時代を築きあげようという姿勢は、産業の発展に大きく寄与すると言えそうですね。
ツークはこれからクリプトバレーとしてさらなる飛躍の地となりそうです。日本の企業もこれに目をつけて進出していく未来も近いのかもしれません。